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    ブロークバックマウンテンの名シーンの数々です。

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2007年9月 5日 (水)

リバティーン

Cap063諸君は私を好きになるまい・・・。
冒頭のモノクロ画面で,ジョニー・デップ演ずる
ジョン・ウォルモット卿は,まるで挑発するかのように,こちらをひたと見据えながら,不敵な台詞を吐く。

リバティーンは放蕩者,背徳者という意味
その呼び名が示す通り,17世紀の天才放蕩詩人ウォルモット卿の放埒で壮絶な半生を描いた物語。ジョニー・デップが,「脚本の冒頭3行を読んで,出演を即決した」というだけあって,全編にわたってスクリーンから溢れ出す,ジョニーの役者としての底知れぬ才能に圧倒された作品。

鬼気迫る・・・と言ったらいいのか。
当時の道徳観や宗教観に,わざと反旗を翻してみせるかのような不遜さ。 その瞳は時に悪魔的な光すら漂わせる。燦然と輝く栄光と,惨めな転落。人々が彼に差し出した賞賛と蔑み。実は脆く傷つきやすい,愛に飢えた心。

目を覆いたくなるよう無惨な死に至るまでの怒濤のような彼の人生を通して,魂が透けて見えるほどの迫真の演技をジョニー・デップは見せてくれた。
この役は絶対に彼にしかできなかったろう。

ジョニーの作品を観るたびに,私はいつも,彼の演技に打ちのめされる。その美しさに酔いしれる時もあれば,切なさに胸がいっぱいになる時もある。奇天烈な面白さに目を見張り,極上の楽しい時間を過ごすこともあれば,颯爽とした格好よさに痺れる時もある。

演じる役によって,発するオーラを自由自在に操っている。
まるで神業的な職人芸を見ているようだ。

しかし,この映画は残念なことにジョニー・デップの演技の凄さだけが印象に残った作品だった。ジョニーをはじめとする出演陣の演技は申し分ないのに,脚本が練られてないのか,監督の見せ方がまずいのか,それぞれの人物がとった行動の理由や,心の動きが強く伝わってこなかった。

ウォルモット卿と国王との 友情と確執や,愛人のリジーとの なれそめや別れも,もっと深く掘り下げて見せてくれたら,感動することができたろうに。
しかし どのような条件のもとでも,ジョニーは強烈な輝きを放つことができることを,私は改めて知ることができた。

Cap086_2  ラストシーンは冒頭と同じくジョニーの独白で終わる。

「これでも私を好きか?」と。その一瞬泣きそうになる表情と,どこまでも清らかなキリエ・エレイソンの調べ。

このジョニーの表情を見るだけでも 
この作品を観てよかったと思った。

  

 

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映画 ら行」カテゴリの記事

コメント

冒頭の口上で、見る者のハートを鷲づかみ~
ひところのウディ・アレン監督の手法ですね。
あんなふうに挑発されたら、
まんまと(?)と映画の中に引き込まれてしまいます。
「これでも私を好きか?」と聞かれたら「はい、好きです」と答えます(笑)
この作品でジョニーの妖艶さを堪能いたしました。ジョニーっぽいなぁ・・・
酒場でのシーンは、ジャック・スパロウもは入っていたような気がします。
これからも、いろいろなジョニーを楽しみたいですね。
私は「アリゾナドリーム」で、アクセル役を演じたジョニーがお気に入りです。
ななさんは、どのジョニーがお気に入り?

マーちゃんへ 
私は,見る分には「フロム・ヘル」と,「スリーピー・ホロウ」のジョニーが,正統派の美男子って感じで好きなのですが・・・。
でも彼の演技力とか,別の魅力を堪能したいなら,「フェイク」とか,「チャリチョコ」とか「シザーハンズ」とかもお気に入りですね。
ティム・バートンとのコンビは,どれも最高だと思います。
ちょっと変わり種では「シークレット・ウィンドウ」も,これはダークな色合いのストーリー自体が好きなのですが,やはりジョニーあっての作品かと。
この「リバティーン」は,私は実は作品としてはあんまり高く評価してないのですが,「ジョニーは凄い!」と思った点ではダントツでした。
「アリゾナドリーム」は残念ながら未見です。また観てみたいですね。

こんにちは!
TB&コメントありがとうございました。

ジョニーの演技はいつまでも印象に残りますが、映画としての出来は、正直言ってあまり上質ではありませんでしたね。
ロチェスター伯爵の破天荒ぶりが目立ちすぎ、感動させる(物語に惹きつける)ポイントがスルスル擦り抜けてしまった感じを受けました。
それにしてもジョニー・デップの凄さは改めて思い知らされました。
彼はロチェスター伯爵としっかり同化していましたので、あの映画を撮っている時の彼と過ごす家族は大変だったのでは・・・と想像します(笑)

この映画を見て思ったのは『綺麗は汚い』、『汚いは綺麗』全ての事象は表裏一体で出来てるんだなあということ。

卿(ジョニデ)の演技一つ上げても、前半のアナーキーな才気にあふれ容姿端麗な卿と、後半の醜く哀れな卿とではなにもかもが違うのだけど、根底は同じ(まあ同じ人なんだけど・汗)というのがしっかりと伝わってきました。

中弛みだったり唐突だったりとストーリー的には?なところもある映画でしたが実は1番好きかもしれません(笑)

由香さん こんばんわ TBもありがとうございます。
そうですね。この役のジョニーからは,今までの彼には見られなかった
「邪悪なもの」までが,感じられたので・・・。
本来はよき家庭人のジョニーが,その雰囲気を家にまで持って帰ったとしたら,ちょっと対応に困りますよね。(どんなに大変でも,ジョニーの家族になれるなら我慢するけど)
私は、この作品はある意味,ファンの間ではジョニーの代表作にもなるとは思いますが,もっと力量のある監督さんが手がけていたら,万人をも唸らせる傑作になっていたのでは,と思います。やはり感情移入できる面がないと映画はだめかと。その点,非常に惜しいですね。最高級の素材を使いながら,料理法が稚拙だったかも。

LOTUSさん こんばんわ
コメントありがとうございます。
「綺麗」と「汚い」は確かに相反する要素ですが,「善」と「悪」のように,確かに表裏一体だと私も思います。卿はどちらも極めてしまいましたけど。でもそこが,凡人にはない強烈なオーラを放つ彼の魅力となっているのかも。
この役をどうしてジョニーがあれほど演じたがったのか,その思い入れの激しさがどこから来るのか,いま一つわかりませんでしたが,やはりジョニーもまた,卿と同じような自己矛盾を持ち,その類い希な才能は,一歩間違えば狂気に変わる可能性を秘めているのでしょうか。主人公に共感しなければ,あれだけの演技はできないと思うので。
ストーリーはよくなかったですよね。だからこの作品の魅力は,全てジョニーに始まり,ジョニーに終わってしまっていますね。

こんばんわ!TB&コメントありがとうございます!

≫ジョニー・デップの演技の凄さだけが
印象に残った作品だった。

そうなんですよねえ。
残念だったのはその部分なんです。

この映画が好き!というよりは、この映画のロチェ様(ジョニー)が
好き!って思っている人のほうが多いような気がします。
現に私もそうでした(苦笑)。

ロチェスターという一人の人間の苦悩と、
才能があるが故の闇や影というのが、物語で表現されていたというよりも
ジョニー自身の演技によって体言されていたなあという印象が強いです。

「諸君は私を好きになるまい」
そんなこと、あんなキレイな顔で言われてもね・・・
好きになっちゃうに決まってるじゃん!って心の中で叫んでいました(笑)

睦月さん ご訪問ありがとうございます。

>物語で表現されていたというよりも
ジョニー自身の演技によって体言されていたなあという印象が強いです。確かに,脚本や演出はまずくても,それをカバーして余りあるジョニーの演技は,やはり神業といいたいですね。

最後の独白しびれますよね。ジョニーは,母性本能もくすぐってくれます。あの目で泣きそうに見つめられたら,何でもゆるしちゃいそう。最後まで彼を見捨てずに愛し抜いた,妻のエリザベスの気持ち,めっちゃわかります。

リバティーン、前に一度借りてきたんですけどね。なぜかワタクシ集中力が散漫になってしまい、30分も見ないうちに「う~、続かん」と中断してしまいましたのよ。イカンなぁ、そんな事では。「ジョニーの演技の凄さだけが印象に残った映画だった」って、なんか分かる気がします。30分だけでも、そんなニオイはしてましたわ。
ところで、我が家の「ステキング」ですが、ぼつぼつ再開しましたのよ。でも別館に移しましたんで、まずは左のカテゴリの「KINGDOM ~」をクリックしてみてくださいな。ではまた!

kikiさん こんばんわ。
注意力が散漫・・・。分かります。映像も自然光だけを使ったらしくて,見にくかったですし。ジョニーが好きでないと,最後まで見れないかも知れませんね。ジョニーファンには,結構たまらない魅力がありますわ。私もこのDVDは買いましてよ。
おお,ステキング物語,再開ですか。それはぜひ行かなければ。ところで拙宅の「かげろう」がらみで,KiKiさん宅のご常連のmayumiさんとお近づきになることができました。嬉しかったですわ。ではまた,おじゃまいたしますね。

ななさん、こんにちは。
少々忙しく、やっとお邪魔できました('-'*)オヒサ♪

最初の宣伝文句は、エロテックが前面な印象でしたが、
実際はそんな事ではなくてね、なかなか奥深い作品でしたよね。
そして、殆どの方がジョニーの演技を絶賛されてたと…

>それぞれの人物がとった行動の理由や,心の動きが強く伝わってこなかった

ななさん、言われるとおりです。
この映画は撮影も中断したっけ?
あと公開までに時間が掛かったりした記憶があるんですが(間違ってたらゴメンネ)
そんな事もあるのかな…
セル版のDVDでは、劇場未公開シーンが20分ほど含まれているので、
ロチェがなぜこうなったのか?は多少解りました。

私はサマンサ・モートンが苦手なので(笑)
特に彼女のエリザベスという人が解らなかった。
妻エリザベスのロザムンド・パイクはとても上手だったと思います。
思いっきり彼女に感情移入しました!
ジャック・ダヴェンポートも出てたし、
トム・ホランダーはこの共演でジョニーが「パイレーツ~」仲間に押したのでしたか(^^)/
という事で(笑)
ジョニーファンの方以外には、
受け入れ難い映画になってしまった感じが、とても勿体無いと思いました。

オリーブリーさん こんばんわ
そうですか、未公開シーンを観たら,ロチェ様の不可解な堕落の理由が
少しは分かるのかな?実はそこが一番知りたいのに曖昧で・・・。それがわかれば,少しは感情移入できたかも知れません。

>私はサマンサ・モートンが苦手なので
私も,彼女の演技は好きですが,顔や体型が,ヒロインとしての華がないなあと思います。それに,この作品の彼女の感情は,説明不足すぎて,共感できませんでした。ロチェにぞっこんになったり,冷めたり,というところが唐突すぎるんですよね。

>妻エリザベスのロザムンド・パイクはとても上手だったと思います。
そうそう!彼女はとてもよかったです。特にロチェの前で酒をあおるシーンは,圧倒されました。美しい人なので,その演技力を見直したって感じです。

>ジョニーファンの方以外には、受け入れ難い映画になってしまった感じが
ほんとですね。ジョニーがあんなに思い入れを持って演じた役なのに,ファンにしかそのよさがわからないとは,勿体ないお化けがでそうです。


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ジョニー・デップ大好き人間でありながら、この映画は未見だった。近所で公開されなかった事と、評判が芳しくなかったので、二の足を踏んだのだ。WOWOWで恐る恐る鑑賞〜【story】1660年代、王政復古のイギリスで、ロチェスター伯爵ことジョン・ウィルモット(ジョニー・デップ)は、作家の才能がありつつも、そのセクシャルでスキャンダラスな内容が問題視されていた。エリザベス(ロザモンド・バイク)という妻がいながら、女性関係も派手な彼だったが、リジー(サマンサ・モートン)という女優に出逢い、彼女の才能を開花させ... [続きを読む]

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