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2007年9月22日 (土)

ナイロビの蜂

Cap006_2_2 
この映画はブラッド・ダイヤモンド記事はこちら)や、ホテル・ルワンダのように、虐げられたアフリカの問題に鋭くメスを入れた作品ではあるが,,それにもまして心に強く残ったのは,やはり何と言っても切なく美しい夫婦の愛だった。                   

レイチェル・ワイズが演じる
テッサは,少女のように無邪気な笑顔と,熱い正義感と行動力を持った まるで火の玉のような女性。レイフ・ファインズが演じるジャスティンは,ガーデニングが趣味の,心優しい外交官。彼は どんなときも冷静で思慮深い。そう,まるで さざなみ一つたたない水面のように,どこまでも穏やかだ。

Cap038_2
違いすぎる二人が出逢い,おそらく自分とは正反対の相手の魅力に惹かれあって結ばれたのだけれど。
テッサは自分が関わっている,あまりにも重すぎる秘密を,夫のジャスティンにだけは隠し続けた・・・。

もしも二人が同じような性格と,同じような思想をもっていたら,妻は夫に隠し事をせず,共に正義のために闘うことができただろう。しかし,テッサにとって,ジャスティンは「別世界のひと」。
争いを好まぬ優しい彼が,自分の思想や行動を理解できるとは思えない。
Cap028
「もし飢えた暴徒に襲われたら,あなたは暴徒に食料を与え,そして静かに秩序の回復を待つわ。・・・でも,そんなあなたが大好きなの」
自分なら暴徒と共に立ち上がりかねない 革命家の魂を持つテッサが彼に言ったこの台詞は 
彼女が夫を深く理解し,愛していたことを物語っている。

・・・夫への深い愛ゆえに,テッサは一言も,自分の置かれた状況や窮地を告げることがなかったのか。「巻き込みたくない」 「あなたを守りたい」・・・彼女は自分が直面していた 凄惨で醜悪な世界を見せることで,夫の平穏な世界を壊したくなかったのかもしれない。

夫婦が互いの仕事に深い理解を持ち,価値観が似ている場合,二人の間には確かに打てば響くような心地よさがあると思うけれど,テッサの場合,何も知らない優しいジャスティンは,闘いに疲れた心を癒してくれる存在だったと思う。

ジャスティンが感じていたようにテッサもまた
ジャスティンを「家」だと感じていたのではないか。
 

Cap016_2
テッサの命が突然断たれた後,事実をたどる過酷な旅に出たジャスティンは,それまで自分が知らなかった妻の姿を知ることになる。憑かれたようにテッサの足取りを辿るうちに,彼は,狂おしいほどの哀しみの中で,妻を死に追いやった製薬会社の陰謀に対する怒りをふくらませてゆく。


「テッサ,やっと君が理解できたよ」

慟哭する彼の脳裏に,在りし日の妻の笑顔が浮かぶ。

ラストに彼が選んだ,巨悪に対する報復の方法はあまりに哀しいが,どのみち彼はもうあれ以上 生きられなかったと思う。哀しみのために。最期を覚悟した彼の口から 吐息とともに絞り出された「テッサ・・・」というつぶやき。

Cap029
レイチェル・ワイズの
輝くような笑顔と,限りない優しさに満ちたレイフ・ファインズの瞳が,当分忘れられそうもない。

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映画 な行」カテゴリの記事

コメント

ななさん~こんにちは^^
うーむ!!ななさんは、この映画、浸って見ることが出来たんですね。
今までななさんのレビューを拝見させて頂いて来て、同じ!って事が殆どだったのですが、これは、珍しく違っていて、それがまた興味深かったです(^O^)
この映画は、私には、彼女の彼への恋愛感情が深かったこと、伝わって来なかったんですよ・・・。
それと、この監督さんの「シティ・オブ・ゴッド」がお気に入りだったこともあり、過度な期待をし過ぎてしまったのもマズかったのかも・・です。私がこの映画で一番反応したのは、音楽でした♪

latifaさん,はやばやとコメントTBをありがとうございます。
いや~実は,私はこれ,レンタル三度目でやっと感動したんですわ。(汗)
でも,記事だけ読めば,感動しまくったように書いていますね。最終的には感動したので嘘ではありません。
 レンタル初見時は,ドキュメンタリータッチの展開に混乱,飽きて,いつのまにか爆睡,気がついたらレイフは死んじゃっていました。(爆)
でもでも話題作で,アカデミーも取った作品だし,と2度目に挑戦し,やっとストーリーが消化できて,製薬会社の悪に怒り心頭となり。
彼らの夫婦愛に目がいったのは,実は3度目の正直の鑑賞の時です。ストーリーが消化できているから,今度は腰を据えて彼ら夫婦の表情や台詞をじっくり観れたのですが,そしたら,とても切なくなりました。(でも,一度目でガツンと感動させなきゃ,ホントは作品としては?だとは思いますけどね。)

この映画、冒頭とラストが衝撃的ですね。テッサの遺体との対面と悲しすぎる結末と・・・
テッサの仲間の拷問死もショックでした。
私も、ブラッド・ダイヤモンドやホテル・ルワンダのような社会派ドラマではなく、
恋愛・サスペンスドラマとして見ました。
アフリカ問題の部分が、とかく話題になったようですが
映画の主テーマではなかったように思われます。
テッサは夫を巻き込みたくなかった・・・なるほど!どうして秘密にしたのかしら?って
疑問だったの。


マーちゃんへ
マーちゃんも,これを恋愛ものと感じられましたか。
アフリカ問題も,すごく衝撃的ではあったのですが
ジャスティンの静かな最期が心に焼き付いて
何度か見なおしたあとに,「やはりこれは切ないラブストーリー」
だとしみじみ思いました。
アフリカ問題もまた,これが事実に近いとしたら,とんでもなく
許し難い話ですね。「アフリカでは人の命は安すぎる」という台詞が
心に残っています。
レイチェル・ワイズは,強さとかわいらしさを表現できる女優さんですね。対するレイフは本当に品がよくて,この方も私このみの繊細な演技専門の男優さんです。

命の値段は同じではない、というのは印象的でしたね。
そしてアフリカの大地の上をよぎっていく白いセスナや鳥の影。
まぁ、生きている間は愛しながらも疑いを抱き、いまひとつ信じきれなかった妻に対し、亡くなってからどんどん彼女の真実を知って最期は妻への愛に殉ずる形になる主人公をレイフがはまり役で演じてましたね。ワタクシもTBさせていただきまするわね。

こんばんは。
いつもTBとコメントありがとうございます。

これは、いろんな要素がぎっしり詰まった、しっかりしたサスペンスで、
たくさんの人は社会派サスペンスとしてご覧になったようなのですが。
わたしはジャスティンとテッサのラブストーリーだと思って観ていました。
妻の死で初めて気づいた深い妻の愛、妻への愛を原動力に、
静かな行動を続けるジャスティンが痛々しく、
祈るような思いで見つめていたと思います。

テッサが廻していたビデオに映った、ジャスティン、というかレイフ・ファインズ、
寝顔も手も足も、とっても綺麗でしたよね。

あ、それと申し訳ないけれど、stekingはリンク先から外していただいていいですかしらん。あれは半地下の小部屋でひっそりと静かに続けたいので…。申し訳ないけれどよろしくお願い致します。(笑)

KiKiさん TBもコメントもありがとうございます。

この映画で見せたレイフの「そよそよとした(ぴったりの表現ですね)」持ち味は,もしかして素かも,とたしかKiKiさんが記事に書いていらっしゃいましたわね。
穏やかで爽やかで,物に動じない,というか目の前の現象に気が付きにくい浮世離れしたような上品さが漂う方ですね。今ひとつ,お腹に力のこもらないような優しい声もぴったりで。

stekingの件,承知しましたことよ。ワタクシのお気に入りにお引っ越しさせますわ。半地下でもどこでも,続けてくださるかぎり,訪ねてまいりますのでよろしくね。

悠雅さん,TBとコメントありがとうございます。
そうですよね。これは最大級の切ないラブストーリーですよね。
テッサがああいう形で死ななかったら,ジャスティンは
彼女の真の姿や愛を知ることはなかったのかしら・・・。
彼女の愛がどんなに深かったか,気がついてから、
ジャスティンは,よく思い出の中のテッサと会話してましたね。
私がテッサなら,絶対夫には打ち明けるし,
縋りたくもなると思うのですが,(そもそもそれができる相手を夫に選びます)
それをしなかったテッサは,愛情深いだけでなく,本当に強い女性だったのですね。

>テッサが廻していたビデオに映った、ジャスティン、というかレイフ・ファインズ、寝顔も手も足も、とっても綺麗でしたよね。
・・・はい!彼は,アタマの先からつま先まで,「上品」ですね。とても綺麗な目をしているんだなあと,この映画であらためて認識しました。

ほんと、彼女は夫のことを信頼し、理解し、
そしてすごく愛していたからこそ巻き込みたく
なかったんですよね~・・・。

サスペンス、社会派ドラマとしても楽しめましたが
やはりこれは愛の物語だったんだろうなぁ・・・と思いました。

ラスト、おっしゃる通りとても悲しかったですが
多分もうあれ以上どうやっても生きていけなかっただろうなと
私も思いました。

それと↑でななさんがコメントに書いてらっしゃるように
私も打ち明けずになんていられません(^^ゞ
そもそもそういう人を相手に選ぶって、まったくもって
その通り!^^ こんな重大なことを打ち明けられないような
相手とは自分だったら結婚しません(^^ゞ
というわけで、おっしゃる通り、ほんとに彼女は強い女性だったんだなぁ~・・とつくづく思います。

TBありがとうございました♪
こちらからもさせていただきました^^

メルさん いらっしゃいませ。
TBとコメント,ありがとうございました。
メルさんのコメントを拝見していて,そういえば,って思い当たったんですが
夫に秘密を打ち明けなかったテッサも凄いけど
妻の言動に不安や不信感を持ちながらも,結局強く問いつめなかったジャスティンもまた
考えてみれば世の夫とだいぶ違いますねー。殴ってでも問いつめるでしょ?普通。
お互いに凄く愛し合っていたのは,映画をラストまで観たらよーくわかったけど
生きている間は究極のすれ違い夫婦だったんですね。
正反対のタイプに惹かれると,こういうこともあるのかな。
相手の世界を尊重しすぎですよね。それも愛故か?
・・・なんか,これって,一筋縄ではいかない深ーい映画だなあは感じていましたが
皆さんのコメントとかで,ますます奥行きの深さを感じました。
原作も本屋にありましたよね。今度,読んでみます。

ななさま、こんにちは。拙記事にコメントとTBをありがとうございました。
この映画、辛口に評されている方が意外に多くて驚いた記憶があります。
辛口の方は、テッサに共感できなかったのでしょうか。
この映画の原題『THE CONSTANT GARDENER』(献身的な庭師)は一見、庭仕事の好きだったジャスティンを指しているようですよね。
でも、「アフリカ」という「庭」に身を捧げたテッサのことを指している、という指摘をされた方があり、なるほど、と感心した覚えがあります。
深い意味を持つタイトルですよね。邦題も悪くないですが。
ではでは、また来ますね。

真紅さま コメントとTBをありがとうございます。
テッサに感情移入しにくい面も確かにありますから
辛口評価もうなずける点はありますね。
みんな,テッサのような思想や夫婦観を普通は持っていないから
あの表現だけでは,彼女の行動の理由が観客にはわかりにくいかもしれませんね。
私も鑑賞の一度目,二度目は,「前評判ほど感動しないじゃん・・・」
なんて不満に思った記憶が。
この映画がアカデミーを取らなかったら,きっと3度目観ようとは思わなかったかも。
原題は,「献身的な庭師」って言うんですか!それは初耳。
ジャスティンのことを指しているようでもあり,テッサのことを指しているようでもあり
とても粋なお題ですね。でも,映画の題にはちょっと・・・?
「ナイロビの蜂」の方がずっと好奇心をそそる題ですね。
またお越しください。お待ちしています。

こんにちは~コメント&TBありがとうございました。

良い感想ですね~
ジャスティンはどちらかと言えば事なかれ主義だったけれど、
彼女を失う事でその愛を確立した感じがしました。
確かに皆様言われるように、
テッサという女性をどう捉えるかで感想が違うと思います。
私は二人の結びつきがあまりにも早かったので、
ジャスティンの立場を利用したいような下心があるのかと…
強引な女性ではあったけど、深い愛情は真実でしたね。

タコでないビル・ナイも良かったし、
レイチェルの妊婦ヌードも驚きでした。
あんなのメイクというの?特撮っていうの?(笑)
本物みたいですごいなあ~と(笑)

オリーブリーさん TBとコメントありがとうございます。
私も最初からテッサに感情移入できたわけではありませんが、
何度か見直してやっと彼女の愛に納得がいきました。
初見時は、ジャスティンの哀れさばかり目についてしまって。
今、原作を読み始めましたが、ジャスティンの人物像が
小説でもレイフ・ファインズそのまんまの人物になっていて、
彼は本当にハマリ役だったんだなあ、と。
テッサのお腹、私もまじまじと見てしまいました。
特殊メイク?境目はどこ?みたいな。
またお伺いしますね。

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