最近のトラックバック

MY FAVORITE BLOG

BBM関連写真集

  • 自分の中の感情に・・・
    ブロークバックマウンテンの名シーンの数々です。

« 猫は「寝子」? | トップページ | ブロークバックマウンテン(7) »

2007年9月 8日 (土)

かげろう

Cap093_3 ハンニバル・ライジングのレクター役記事はこちらで,日本でもブレイクしたギャスパー・ウリエルが,3年前に出演した作品。当時レンタルで観たときは,ヒロインのエマニュエル・ベアールを目当てに観たのだが,最近ギャスパーのにわかファンになったので,もう一度観てみた。今度は彼の演技に焦点を当てて。そしたら。

・・・・すんごい切ない物語だった,これ。
Cap107_3
第二次世界大戦中のフランス。二人の子供を連れて,戦火のただ中のパリから田舎に逃れてきた,美しい未亡人のオディール(ベアール)は,ドイツ機の爆撃を受けて逃げまどううちに,
イヴァン(ギャスパー)と名乗る青年と出会う。

住人が立ち退いた後の大きな屋敷に,事もなげに侵入するイヴァン。彼の犯罪とも言える行動を,胡散臭く感じて,強い警戒の心を抱きながらも,子供たちとのねぐらを確保するために,その家で生活を始めるオディール。最初の頃こそ,ぎくしゃくした行き違いもあったが,ウサギや鶏を持ち帰ってくれるイヴァンの存在は頼もしく,二人の子供も彼になつき,まるで「疑似家族」のような不思議な共同生活が始まる。Cap097
「親の話はしたくない」と,過去を語りたがらず,戦争が始まる前の生活も,詳しく言いたがらないイヴァン。オディールは,立ったまま鍋から直に食事をしようとする彼に,食卓を整えてやり,読み書きができない彼に,字を教えようとする。そんな彼女に,唐突に「妻になってくれ」と切り出すイヴァン。「何を言うの」と面食らいながらも,彼女の心は次第にイヴァンに惹かれてゆき・・・。

それが恋と呼べるものかは,どちらにも確信はなかったと思うけれど,互いに惹かれ合うままに愛を交わした翌朝,晴天の霹靂のように憲兵によって明らかにされるイヴァンの秘密。
Cap105
内心の動揺を押し隠して,平静を装うオディールと,ひとことも発せずに連行されていくイヴァン。心を通わせた昨夜のひとときは,あたかも夢のように消え去り,オディールはそれを誰にも知られないよう,心の奥深くしまいこんだ。

後になって彼女は,イヴァンの本名と,彼の哀しすぎる死を知る。遺体を一目見ることもかなわず,葬られた場所さえわからない。女としてより,母としてこれからも生き続けなければならない彼女は,たとえ哀しみに打ちのめされたとしても,声を出して泣くことすらできなかった。

親子ほどの年齢差や,おそらく天と地ほどの違いがある,生活や教養のレベル。もし「戦争」という非常事態がなかったら,決して交錯することはなかった二人の人生。

かげろうとは・・・・。
春、晴れた日に砂浜や野原に見える色のないゆらめき。大気や地面が熱せられて空気密度が不均一になり、それを通過する光が不規則に屈折するために見られる現象で,はかないもの」のたとえに用いる。「戦争」はまた,イヴァンを辛い現実から解き放ち,オディールの家族と過ごした あの穏やかな夏の日々に彼はどのような「ひとときの夢」を見たのだろう。

Cap111

ギャスパーは,粗野で不器用で,デリケートな心を持つ青年を非常にうまく演じていた。ハンニバルの時の,知性やインテリジェンスは封印されていたが,危険な香りを漂わせるのは,やはり上手だ。(もしかして素か?)どっちにしても,ハッピーな役どころはあまり似合わないキャラである。そこがいいのだが。それにしても,手足の長い俳優さんだなあと,改めて感じた。

« 猫は「寝子」? | トップページ | ブロークバックマウンテン(7) »

映画 か行」カテゴリの記事

コメント

おやや。いつのまにやら、ギャスパーくんの写真集がある(笑)。
繊細な感じの美少年ですね。残念ながら、ハンニバル・ライジングは未見です。
「羊たちの沈黙」と「レッド・ドラゴン」はリアルタイムで見たのですけど。
ということで、ギャスパーくんのことは、よくわかっていません。
これから、いろいろ教えてくださいね。
「かげろう」は年上の女性との恋愛を描いた作品なのですね。
なにやら「惑い」と似たようなところが(笑)。イヴァンの過去の秘密が気になるなぁ。
作品は「反戦」or「男女の情愛」どちらに重点がおかれていますか?

ギャスパー君。私が見たのはこの「かげろう」と「ハンニバル~」と「ロングエンゲージメント」の3本だけなんですが,彼の顔立ちというより,雰囲気(危険,ミステリアス,ナイーブ,知的など)が好きかな?ジェイクちゃんとは全然タイプちがいますけどね。こちらはおフランスの方だし。

>作品は「反戦」or「男女の情愛」どちらに重点がおかれていますか?
またまたそんな難しい質問を~。(汗)
うーん,「反戦」がテーマではないです。インテリ(教師)のヒロインと,感化院から脱走してきた青年は,普通なら絶対出逢うことなどなかったのに,二人を出逢わせたのは,「戦争」の混乱だった・・・という点で,戦争がこの映画の重要な要素になっているけれど。そしてまた,ヒロインが息子ほど年の離れた彼と関係を持ってしまうのも,戦争が彼女に与えたストレスのせいかも。そういう背景として,戦争が語られているにすぎないような気がしました。

「男女の情愛」もテーマではないような・・・。そんなどろどろした感じではなく,タイトルの「かげろう」が示しているように,「悲惨な生い立ちと,救いのない未来を持った,まるで野良犬みたいに孤独な感化院の青年が,ひととき家庭の味や女性への恋慕の情を体験し,再び過酷な現実に連れ戻されて絶望し,自殺した」という悲劇のほうが心に残りました。

「人生は哀しい」(何なん?それ)というテーマが好きな私としてはお気に入りの作品です。レンタルレビューを果たされたことではあり,(笑)
また機会があれば観てくださいませ。

ななさん、こんにちは。TBさせていただきました。
ギャスパー・ウリエルはこの作品で初めて知ったのですが、その後「ロング・エンゲージメント」や「パリ、ジュテーム」等、着実に活躍の場を広げてますね。「ハンニバル・ライジング」に彼が出演すると知った時は、正直意外でしたが・・・。なんとなく、アート系の作品に出るタイプなのかな?と思っていたもので。

この作品のイヴァンとオディールは、ななさんの仰るとおり、確かに戦争という異常事態でなかったら、出逢うこともなかったと思うのです。そして、観ている側は、二人の関係が長くは続かないことも薄々わかってしまう。戦争が終わったら、一緒にいられる二人ではないということも。確かに、切ない作品でしたね。

mayumiさん TBとコメントをありがとうございます。
ギャスパーのハンニバル・ライジングへの起用は,本人も,最初は「荷が重すぎる」と断っていたのを製作側が説得したそうです。結果的には見事な演技を見せてくれましたが。

この「かげろう」は,単なるベアールのお色気ものかと思って観たら,すごく切ない,重い物語で驚きました。
>観ている側は、二人の関係が長くは続かないことも薄々わかってしまう。
そうなんですよね。たとえイヴァンが感化院に連れ戻されなくても,二人がその後,夫婦のように幸せに暮らしたとも思えません。あまりにも住んでいる世界が違いすぎるという感じで,遅かれ早かれ破局は避けられなかったかと。戦争によって引き起こされた世界がみせてくれた,ひとときの夢まぼろしのような関係でしたね。その儚さが,観客にも伝わってきて,切なかったです。
仏映画らしい,押さえた演出も効果的でした。
これからも,よろしくお願いします。

こんにちは!
これは以前何気なくWOWOWで観た作品ですが、非常に心に強く残りました。
そして、ギャスパー君のファンになってしまったんです!(笑)
凄く切ないお話でしたよね~
時々映画の断片が心に浮かんでくると、胸がキューンとしてしまいます。
でも、何がそう印象深かったのか言葉で説明出来なかったのですが、ななさんの記事を読んで、勝手に「そうなのよ~~~・涙」と自分の想いを噛み締めております(変ですね・汗)
ああいう状況でなければ出会わなかった二人が一瞬でも引かれ合い求め合い・・・でもそれはとても儚いもので・・・ああ~!!切ない!!
ギャスパー君は凄く上手かったと思います。
彼は『ハンニバル~』の時は、左頬のエクボ(傷?)が目立ちましたが、この時は無かった気がしたのですが・・・ななさんは気が付かれましたか?


由香さん いらっしゃいませ。
由香さんも,この映画,お好きなんですね。(嬉)
戦争ものや,悲恋ものが好きなワタクシ(人生後ろむき?いやいや,リベリオンみたいなスカッとしたのも好きですよん。あ,でもあれも切ない面もあるなあ)としては,見事にツボにはまった映画でした。でも,ほんとにツボにはまったのは,初見の時より,ギャスパーくんのファンになって,再見した時です。仏映画らしく,一度観ただけでは,わかりにくいくらい,控えめな演出だったからかと。それでも,初見の時も,ギャスパー君の影のある雰囲気には,強い印象を受けましたっけ。

頬の傷・・・そういや,この時は無い!由香さんに言われて,今初めて気づきました。「ロング・エンゲージメント」の時はすでにあったかな?あったような,なかったような。(また観てみよう)
あの傷は,犬に噛まれたそうです(睦月さん曰く)が,私ゃてっきり,子供の頃の出来事だと思ってました。最近の出来事だったのかな?だれかギャスパーファンの方,教えてくださいな。
そちらにも,好きな映画を探してまたおじゃまいたします。

はじめまして~。
映画とギャスパーで検索していたら、こちらにたどりつきました。すてきなブログ、すばらしい記事ですね! これからも、ときどき寄らせてくださいませ。

ギャスパーの「かげろう」のときの scar ですけど、ちゃんと(?)ありますよ。インタビューによれば、テシネ監督の指示で、メイクで影をつけて強調したりもしたのだとか。
そうですね、とくに目立ったのは、4人で森へ逃げこんだばかりで、ベレー帽かぶっててタバコを吸うシーンあたりでしょうか。この青年、何者?! って感じが、よく出ていたと思います。

クリス・Dさん いらっしゃいませ。
コメントをありがとうございます。
ギャスパーくんのファンなのですね。頬の傷について,教えてくださってありがとうございました。そーですよね,犬に噛まれるって,普通子供のときですよね。
ギャスパー君は,美しいだけでなく,とても個性的な魅力をもった俳優さんだと思います。この映画の時も輝きを放っていましたが,まさか彼がハンニバル役に抜擢されるとはこのとき予想もしてませんでした。でも、見事にヤング・ハンニバルもやり遂げましたよね。これからも,注目していきたいですね。
ブログをほめていただいて嬉しいです。またお立ち寄りくださいませ。

ななさん、さっそくコメントへのレスをありがとうございます。
はい、大ファンです。そうなんです、美貌だけじゃなく、ものすごく雰囲気があって、人の心をひきつける演技ができる俳優さんだと思います。

来月、劇場未公開のギャスパー主演作の日本語字幕版DVDがリリースされるの、ごぞんじですか? 「THE LAST DAY」(原題:Le Dernier jour)という作品です。わたしは北米版のDVDを観ました。家族と恋愛と孤独についての重いストーリーです。
ななさんは、ヒューマンタッチの映画がお好きとのことなので、もしごらんになって感想が聞けたら、とってもうれしいです。

あ、いけない、長くなりました。
またそのうち、おじゃまさせていただきます。

クリス・Dさん こんばんわ
えー、ギャスパー君の主演のDVDが?それは是非観なくちゃ。
ギャスパー君の主演って,日本で公開されているのって,まだ貴重ですよね。ロングエンゲージメントは,オドレイの方が断然目立ってて,(オドレイが主役だから仕方ないけど)あの監督さんの世界観があまりなじめないこともあり,好きな映画ではないです。だから,ギャスパー君の映画といえるものは,今まではこの「かげろう」と「ハンニバル・ライジング」
だけだったから(「パリ・ジュテーム」はオムニバスと聞いていますし)
少しでも多く彼の主演作品が見れるのは嬉しいです。
来月といえば,もうすぐですね、楽しみです。家族と恋愛と孤独って・・・私のツボにはまりそうなテーマです。彼はやはり重いテーマが似合いますしね。
素敵な情報をありがとうございました。また遊びにおいでください。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/447026/7849705

この記事へのトラックバック一覧です: かげろう:

» 「ロングエンゲージメント」と「かげろう」 [ポコアポコヤ]
ロングエンゲージメントlong engagement(Un long dimanche de fiançailles) 監督Jean-Pierre Jeunet、主演Audrey Tautou、Gaspard Ulliel 去年の春、映画館に見に行けずじまいで、レンタル開始になってすぐ 見たのですが、1回目見た時は、誰が誰だか、名前と顔が一致出来ず・・・ 2回目を先日やっと見終わりました。 ジャン・ピェール・ジュネ監督さんはアメリを上回る映画を作ってやるぞ! とばかりに奮起して作... [続きを読む]

» 「かげろう」 [It's a wonderful cinema]
 2003年/フランス  監督/アンドレ・テシネ  出演/エマニュエル・ベアール      ギャスパー・ウリエル  フランスの美形俳優、ギャスパー・ウリエルとエマニュエル・ベアールが共演した作品。とにかくもう、ギャスパー・ウリエルの顔が美しいです。(←それだけかよ。笑)  ドイツ軍攻め入るパリを逃れ、二人の子供と南を目指すオディールは、爆撃を受けたとき、不思議な青年イヴァンに救われる。森の中の家で、四人は共同生活を始める・・・というお話。  ストーリー的には「ああ、フランス映... [続きを読む]

« 猫は「寝子」? | トップページ | ブロークバックマウンテン(7) »