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2007年9月14日 (金)

コーラス

Cap022
音楽の持つ力を信じる全ての人に観て,聴いて,感じて欲しい極上の一品。・・・それがこの「コーラス」だと思っている。

Cap002
物語は1949年のフランス。
片田舎の,半分感化院みたいな,寄宿学校「池の底」(何という名!)で親元を離れて暮らす少年たち。彼らはそれぞれ問題を抱えて,哀しい目と,反抗に満ちた心を持てあまし,愛情に飢えていた。・・・・その中でも「顔は天使,心は悪魔」とまで言われた,札付きの問題児ピエール・モランジュ。

ある日この学校に舎監として赴任してきた,風采のあがらない,落ちこぼれの音楽教師マチュー先生。悪童たちに「ハゲ頭!」とからかわれながらも,彼は合唱を教えることによって,少しずつ少年たちの心を開かせてゆく。
Cap006 

合唱を体験したことのある方なら お分かりになると思うけど,一人一人の声が一つになってハーモニーが生まれるときのあの一体感は,心がふるえるような恍惚とした喜びを感じさせてくれるものだ。ばらばらだった少年たちの心が,マチュー先生を中心に一つにまとまっていったのも無理はない。

一番手強かった 頑ななモランジュの中に「奇跡の声」の才能を見いだしたマチュー先生は 彼に「歌う喜び」を教える。次第に自信と生き甲斐を持ち始めるモランジュ。

Cap016_2
ある人にとっては,人生を変えてしまうほどの大切な出逢い。
マチュー先生と出逢わなかったら,モランジュの人生はどんなものになっていただろう。

モランジュを演じたジャン・バティスト・モニエ少年。実際に聖歌隊でソリストをつとめる彼の声を,何と表現したらいいのだろう。どこまでも清らかに澄み切っていて,まるで魂が天高く飛翔するような思わず涙したくなるほどの美しさだ。
Cap037_2
出演した少年たちの殆どは演技に関しては初心者で,特典映像に納められていた撮影風景では,まるで合宿のように生き生きと,どの子の笑顔も輝いていた。

その中でもひときわ愛らしく,存在感が大だったのが,ペピノを演じたマクサンス・ペラン
ジャック・ペランの息子らしく 幼いのに天性の演技力を感じる。彼とマチュー先生との心あたたまるラストシーンは,この物語に この上なく優しい余韻を残してくれた。

奏でられる音楽の数々と モニエ君の天使の声と あたたかい人の心。その全てが美しい 珠玉のような作品だった。
Cap047

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映画 か行」カテゴリの記事

コメント

ななさん、こんにちは!
今、この映画を、改めて良い映画だったな~って思い出しています。
ななさんちは、写真が一杯あって、とても見ていて楽しいな。
記事を拝見しながら、懐かしく思い出せます。
最初の写真見て、あ~あの背高いぼ~っとした男の子、楽譜持ちだったんだっけな^^ なんて、脇役の事とかも思い出したりして。

合唱の楽しみ、ななさんは身を持って解っていらっしゃるだけに、この映画には、格別な思い入れが有るに違いないですね☆

記事を読ませていただいて、ほんとにそうだったなぁ~・・と
頷くことしきり^^

あの歌声は、私の汚れた(?(^^;;) )魂ですら
浄化してくれて、天へと導いてくれるのでは・・と
思えるような、これぞ「美しい」と言える、素晴らしいものでした。
「まるで魂が天高く飛翔するような・・」って ななさん
本当に上手い言葉を書いてらっしゃるなぁ、って感心しております。
こんなにピッタリと当てはまる言葉、私には思いつかなかったです。

この記事読んで、写真も見せていただいて
なんだか無性にもう一度見たくなりました♪

TB、どうもありがとうございました~♪

latifaさん こんばんわ
そうなんですよ。この作品は「音楽」と「合唱」と「教育」と「美少年」(これ重要)と,私のツボにはまりまくりの感動作でした。
写真・・・は,どーしてもモニエ君のが多いですね。(うふっ)
マチュー先生のはお義理です。(おいおい)
出演した少年のどの子もしっかり個性があって,印象深かったです。そうそう,楽譜持ちの彼,お人好しで,音痴でしたよね。ややベタな話なんだけど,このように素直に爽やかに感動できる作品って,貴重だと思います。

メルさん,こんばんわ ご訪問ありがとうございます。
また是非再見してくださいませ。私も記事を書くためにもう一度観たのですが,やはり胸に心地良くこみ上げてくるものを感じました。
モニエ君は,声変わりして,テノールになっちゃったのかしら。
この子には一生,歌い続けてほしいなあと思います。
インタビューを聞いても,言うことがとても素直で謙虚で,純粋な子なんだなあという感じがしました。
歌だけでなく,スポーツも得意だそうですよ。

こんにちは!
先生が全ての人に優しく~というわけでもなく、あの悪魔と言われた子供達に合唱を教える過程というのも、面白かったです。
感動を与えながらも、「ええっ?」という事も・・・(笑)
だけどこの歌声は素晴らしいですね~。

yukiさん コメントをありがとうございます。
この映画では先生もとても人間くさく描かれていましたね。
これがハリウッド製作だと,あの不良青年のモンダンも,合唱の力で更正するだろうし,音痴の楽譜持ちの少年も,特訓によって,歌えるようになり,マチュー先生と生徒たちは,校長に対して,断固として闘いを挑んで勝利する・・・という感動的なストーリーになってたかもしれませんが,そうなるとこの味わいは出なかったでしょうね。
さらりとした,やや冷たく感じられるような味付けが,さりげなくていかにもフランス映画でした。
歌声は,長く人々の心に残るでしょうね。

ななさん、明けましておめでとうございます!!
TB返しが遅れて済みませんでした。

カゴメは正式に合唱部に所属したことはないですが、
大学がミッション系だったので、良く賛美歌は歌わされてました。
今でも、教会で結婚式なんかがあると中年の癖に思いっ切りソプラノです(苦笑)。
教会で歌うと、声が響いて気分良いですね。
下手でもうまくなった気分がして(笑)。

マチュー先生は結局、生涯独身だったんですかね?
ああいうタイプは女性に好まれないんでしょうかねぇ?

カゴメさん 
あけましておめでとうございます。
カゴメさん,今でもソプラノですか?凄い・・。
教会は天井が高くて,音響効果がいいですからねー。
オルガンの響きも,荘厳な魅力がありますね。

マチュー先生からは,人間としての魅力,教師としての魅力は感じるけど,男性としての魅力は,残念ながら私は感じませんでしたねぇ。(;^^)


ななさんさっそくおじゃまします!

久しぶりにコーラストークですよ~。うれしいな~♪
物語もいいし、モニエ君の声も顔もいいし、ずばぬけた作品ですね!この顔には惚れますよ~・・・。

モニエくんの映画はなかなか日本には来ませんね。
他の作品も見たいですよね。

最近はモニエくん情報、探してもあまりヒットしなくて
よくわからないんです・・・。
久しぶりにコーラス見てみようかな・・・。

メルセデスさん こんばんは~ ようこそ!

隠れモニエファン(それもだいぶ前)の私にとって
モニエ君情報がたくさんのメルセデスさんのブログは
とっても感動でしたよ。

>モニエくんの映画はなかなか日本には来ませんね。
>他の作品も見たいですよね。
わたしは,声変わりしたモニエ君の声を(話し声でもいい)一度聞いてみたいのですが
なかなかねぇ~
主役でなくてもいいから,大人になった彼の演技を観てみたいものです。
アメリカで演劇のお勉強をしているんですか~
フランスに帰国してから,本国でなにか出演するのかな?

わたしも久々にコーラス,見たくなりました。
あの奇跡のような美しい歌声に癒されたいです・・・。


ななさんこんばんは!
ご存知かもしれませんが、大人のモニエくんが歌ったりしゃべったりしてるのでどうぞ!

http://www.youtube.com/watch?v=pBCClKAasGs

これは去年のクリスマスの挨拶をしてます。
声低いです…
http://www.youtube.com/watch?v=jW1XlIzC4Nk

ななさんのブログ、リンクさせていただきました!
よかったら私もよろしくお願い致します。
私も猫ちゃんと映画は大好きですよ~!

メルセデスさん またまたありがとうございます。

さっそくモニエ君のその後の歌声や話し声を堪能しました~
あの,透き通るようなソプラノはもう聴けないけど
でもやっぱり歌は上手いですね。
歌が好きなんだなぁ,ってのがよく伝わってきます。
話し声は低くなりましたね。
ああ~,なんか,知らない間にすくすくと成長していた愛息子を見る心境ですわ。
綺麗なままで,上品なままで,青年になってくれてるのが嬉しかった~

リンク,ありがとうございました。
こちらからもリンクさせていただきますね。
他の作品や猫の話題でも,お話できると嬉しいです!

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