2024年5月19日 (日)

オッペンハイマー

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原爆の父と呼ばれた天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落を実話に基づいて描いた作品。オッペンハイマーを演じるのはノーラン作品では常連の名優キリアン・マーフィー。これは観なければ!と、原作未読でなんの予備知識も入れずに劇場で鑑賞。んで、当然のごとく混乱した。一筋縄ではいかないノーラン監督作品。もちろんこの作品も時系列どおりに見せてはくれない。

いや、時系列通りではあるのだけど、オッペンハイマーの国家機密のアクセス権をめぐる密室での聴聞会(1954年)と、ルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr)が主役の上院での公聴会(1958年)が交互に出てくるので「今はいつ?」「これは誰?」「この人はオッピーの味方?それとも敵?」状態で初見時は混乱。二度目鑑賞のときは人物や関係性も調べていったし、公聴会のシーンはモノクロだと気づいたので(遅い!)話についていけた。はじめっから順に見せてくれや!とは思ったけどね。

オッペンハイマーの偉業すなわちトリニティ作戦がいかにしてなされたか、どのような人々がそこに関わっていったのか、という経緯は、聴聞会の場面が進行するにしたがってオッペンハイマーの回想として描かれる。そこに登場する名優さんのまあ多いこと!登場場面が少ししかない名優さんもいる。マット・ディモン、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ジェイソン・クラーク、ケネス・ブラナー、ラミ・マレック・・・いやもうなんて贅沢な!そして男優さんたちが役作りのためか恰幅よく太っている人も多かったような。(キリアンとロバート・ダウニーとラミは除く)そして、狡猾で尊大な表情を巧みにみせたトルーマン大統領役があのゲイリー・オールドマンとは最後まで気づかなかった!

これだけの名優たちの名演技と凝った造りで、やや難解ながらもぐいぐい惹きこむパワーはすごいとしかいいようがない。原爆開発に対して科学者たちの思いと政治家の思惑は実は相容れないものだと改めて実感する。

被爆国である日本人からすれば、確かに辛い場面もある。被爆した日本の実際の映像が使われなかったことも残念だし、オッペンハイマーの功績を大歓声と拍手でたたえる民衆のシーンは観ていてやはり気持ちいいものではない。

しかし、だからといってこの作品の評価は下がるものではないと、戦争を知らない世代の自分は思う。賛否両論あるにしても、取り上げたテーマ、監督の手腕、役者たちの演技など、紛れもなく傑作だと思うから。

キリアン・マーフィー。好きな役者さんだったけど改めて惚れました。

2024年4月25日 (木)

室戸岬 岬観光ホテルに泊まりました。

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室戸岬の先端に建つ、登録有形文化財のレトロなお宿岬観光ホテルさんに泊まってきました。四国を中心としたドライブ旅行にハマっていますが、ラグジュアリーなお高いホテルも好きですが、こういう昭和レトロなお宿もツボです。観光旅館は私のようなおひとりさまは宿泊プランがないこともありますが(-_-;)こちらのホテルはそんなこともなく、ありがたいです。まあ、当日、食事処で見渡すと一人で宿泊していたのは私一人でしたけど・・・。

岬観光ホテルは、本館と新館に分かれ、二つの建物は繋がっています。本館は昭和9年頃に建てられ、もともとは資産家の別荘だったようです。新館は昭和39年頃に本館裏に旅館として建て増しされたようです。建物の風情があるのは本館ですが、新館はもともと旅館仕様なので、お部屋にトイレがついていて、海岸に面しているので景観も楽しめます。

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新館の玄関とロビー。真っ赤な絨毯やレトロな階段が時代を感じさせます。

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こちらは新館。お部屋から海が見えます。

部屋にトイレがないと夜中に困るので、新館のバストイレ付きのお部屋に泊まりました。1階だったので海は見えにくかったけど、バストイレ付きの部屋がもしかしたら1階にしかないのかな?ちなみにバスやトイレのない部屋のために共同トイレや共同の浴場もあります。お部屋はザ・昭和!という感じの和室。私の子供の頃の親の家、という時代を感じました。間取りも古いけど踏込、前室、床の間、広縁が揃っています。

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昭和初期のタイル全盛時代の建物らしく、洗面所やお風呂場やトイレにはいろんなタイルが使われていて、昭和世代には懐かしいです。どれも清潔にされてました。トイレのかすかな黴臭さはご愛嬌ということで・・・。

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引き出しが歪んで使い物にならない鏡台もご愛嬌です。

実はお部屋は一寸(いっすん)ムカデがでましたが、田舎育ちの私は別に騒ぐほどのこともなく、宿の人を呼ぶまでもなく自分で退治しましたよ(^^♪ 隣の音は響きませんが、上の階の足音はよく聞こえます。でも宿泊客のみなさんマナーがよくて夜遅くまで音を立てる方はこの日(平日)はいらっしゃいませんでした。よかったぁ^_^;

ここは家庭的で美味しいお料理と、日本酒マイスターのご主人がおすすめの美味しい土佐の地酒がいただけます。実はそちらもお目当てに宿泊。

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美味しいお料理をいただいて、ゆっくり休めましたが、なんと夜中は暴風雨でした。別に台風の季節ではなかったのですが。ひとくちに暴風雨といっても、このあたりの暴風雨はレベルが違いました。翌朝見たら駐車場のマイカーに濡れた葉っぱや泥がびっしり。一晩吹き荒れた雨風の仕業です。しかし、雨風のごうごうという音は聞こえても、それほど喧しくはなく、建物も揺れなかったような・・・。やはり台風の多いこの土地なのでしっかりとした造りなのでしょう。

翌朝はからりと晴れたので、チェックアウトしてから車を置かせてもらってホテルの裏の遊歩道から海岸に降りてみました。アロエやサボテンなどの亜熱帯植物が自生し、荒波と青空の太平洋はとても素晴らしかったです。
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古いお宿の不便さと、虫が苦手な方はオススメしませんが、昭和レトロ好きな方には一押しのお宿です。

2024年3月27日 (水)

春の訪れ

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庭の手入れをしていた父が亡くなってから、毎年季節になると咲いていた花たちに変化が訪れたように感じます。理科の教師だった父は花はもちろん、雑草の名前も詳しくて、抜くべき草と育てるべき花の区別がきちんとついていたので、適切に刈り込んだり手入れしたりしていたのでしょうね。それに比べて私は咲いてくれるまでは花と雑草の区別がつかないものもあり・・・。きっと雑草と間違えて抜いたり除草剤をかけてしまったりしたのでしょう。春の花もなんとなく半分くらいに減ったような・・・。申し訳ない気持ちです。

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それでも木瓜や水仙が今年も咲いてくれました。水仙は・・・本数が減りましたが。すこしお花の手入れの勉強もしてみようかと思う春でした。

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白いネモフィラは、私が新しく植えました。

2024年2月28日 (水)

コヴェナント約束の救出

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ジェイク・ギレンホール目当てに鑑賞。結果、ものすごくよかった!彼はどの作品でもうまくこなすが、最近の作品ではこれが最高傑作かもしれない。兵士の役は、彼のはまり役のひとつだけど、本当にリアルで緊迫感に溢れた骨太の演技だった。

あらすじ
2018年、アフガニスタン。タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍曹長ジョン・キンリーは、優秀なアフガン人通訳アーメッドを雇う。キンリーの部隊はタリバンの爆発物製造工場を突き止めるが、大量の兵を送り込まれキンリーとアーメッド以外は全滅してしまう。キンリーも瀕死の重傷を負ったもののアーメッドに救出され、アメリカで待つ家族のもとへ無事帰還を果たす。しかし自分を助けたためにアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、彼を救うため再びアフガニスタンへ向かう。映画.comより引用)

アフガニスタン問題を取り扱った社会派の一面もしっかり見せつつ、純粋に戦闘ものとして、緊迫感や臨場感の溢れるアクションを堪能できる作品でもある。実際、私が鑑賞した劇場内は年配の男性客が多かった。しかし戦闘を楽しめるだけではなく、深く感動できるヒューマンドラマでもあるのが、今作のすごいところだと思う。

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アフガンの通訳アーメッド役の俳優さんはちょっとショーン・コネリータイプのおっさん(失礼!)なのだが、この人がめちゃくちゃいい!寡黙でタフで、強くて内に秘めたる奥深さがたまらなくカッコいい。上官であるがそれまで一面識もなく、何の義理もないアメリカ人のキンリ―を、険しい山道を手押し車に載せて命がけで運んでいくシーンは何度も胸が熱くなる。どうしてそこまで・・・と思うわけだが、実は彼の心情は彼自身のセリフで語られることはない。アーメッドもタリバンを憎んでいること、何度かキンリ―がアーメッドを信頼してその忠告などを聞き入れてくれた上官であったこと、そしてキンリ―の青い瞳がタリバンに殺された息子の目に似ていたこと・・・などが実は理由のひとつになったのかもしれないと思った。

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さて、邦題に「約束の救出」とあるが、これはちょっと違うんじゃなかろうか?と思う。なぜなら、キンリ―とアーメッドの間では実際では何の約束も交わされていなかったからだ。何週間もの逃避旅を経てようやくキンリ―が米国基地に保護されたときは彼は意識もなかったまま搬送されたので、アーメッドに礼すら言う間もなく、「この恩は忘れない」という意思を伝えることもできなかったと思うから。

従って、キンリ―がアーメッドを救出に向かったのは、約束したからではなく恩義(報いるべき義理)を感じたためだった。事実、劇中でも何度かキンリ―が「恩義」というセリフを口にし、「このままでは夜も寝られない」ほど苦しんでアーメッドのために奔走し、ついには妻に背中を押される形で命を懸けた救出劇を決意している。恩義を返すという考えが、なんとなく日本的で武士道っぽく、キンリ―とアーメッドの関係にしっくりくるようで、個人的にそこもとても惹かれるツボだった。

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アフガニスタンでのアーメッドとの再会シーン。現地人に変装したキンリ―がようやく見つけたアーメッドにさりげなさを装って近づき、話しかける。名も呼ばず、名乗りもされないのにアーメッドはキンリ―だと気づき、彼が何のために帰ってきたか悟りながらも、第一声は「…その服似合うな。」いや、もうたまらんシーンでした。周囲の目や耳をはばかる必要があったとはいえ、どちらもポーカーファイスすぎて。そしてもうここで以心伝心、阿吽の呼吸というか、語り合わなくても十分に深い絆の自覚が両者に存在していたんだと感じた。

二人の心の交流や、命を懸けて恩義を返そうとする漢の生きざまが非常に感動的であるが、次から次に無限に湧いてくるタリバン兵との銃撃戦やカーチェイス、あわやここまで、と思った絶妙な瞬間に現れる米国戦闘機の助けなど、手に汗握る観どころも満載だ。

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