2023年1月31日 (火)

ラーゲリより愛を込めて

188868_02
映画館で鑑賞。いつも新作は何の予備知識も入れずに観に行く。この作品もそうしたのだけど、なんと中盤から後半にかけて、慌ててバッグからハンカチを引っ張り出すはめに。涙腺が固いのか、滅多に泣かない私が、十数年ぶりに映画で泣いた。・・・・いや、これもう反則だろ。絶対泣くよこのシーン、と心でつぶやいたのはもちろん、山本さんの遺書を家族の前で涙ながらそらんじる仲間たちのシーンだ。特に、母を喪った無念さと悲しみを抱えた松田(松坂桃李)が、自分の母と山本さんの母(市毛良枝)を重ね合わせて涙する場面は心の中で号泣した。実話なんですね、これ。
62w
↑ 山本幡男さんご本人

終戦後にソ連に抑留された人たちのこんなにも長い理不尽な苦しみ。
希望を捨てずに待ち続ける家族の想い。
絶望と怒りと苦難しかない収容所生活の中で
山本さんが仲間たちに与え続けた希望と生きる力。

まさに暗闇の中に灯を灯し続けた山本幡男さん。なぜ彼にそんなことができたのか、たとえばナチの収容所でも同じように愛と希望を説き、しまいには自分の命までも仲間に与えた人物としてコルベ神父が有名だけど、山本さんは宗教による希望や博愛精神を持っていたわけではなかった。彼を支え、仲間たちに生きる意欲をもたらしたものは、彼の思想や人柄や深い教養から来たものであり、映画にはくわしく描かれてなかったけれど、彼は自暴自棄になりがちな仲間たちのために、「故国を忘れないように」と日本語の素晴らしさを伝える句会や文芸誌発行を収容所内で行ったという。

3500toc01_3

山本さん以外で主要な役割を占める4人の捕虜たち。松田研三(松坂桃李)、相沢光男(桐谷健太)、原幸彦(安田顕)、新谷健雄(中島健人)は皆、実は映画オリジナルのキャラクターだという。しかし全くのフィクションかというとそうではなく、多くの捕虜たちのさまざまなエピソードの集合体としてこの4人は存在するのだそうだ。祖国に老いた母を残してきた者や身重の妻を残してきた者。捕虜になる前は上官だったものや一兵卒だった者。それどころか兵士ですらなかった不運な者など、実際に様々な事情やトラウマを抱えた捕虜たちがいたことだろう。

_6-2022-1989

今年は日本でも大寒波の冬。零下数度でも寒くてたまらないと感じるのに、酷寒のソ連での収容所生活は暖房どころか窓ガラスすら破れた小屋での生活で、多くの捕虜が寒さと飢えで命を落としたことだろう。いつ帰れるか…果たして本当に帰れるのか・・・それまで生きることができるのか。帰国の望みが絶たれるたびに、彼らの心は絶望の中に沈んでいったに違いない。そんな中で山本さんが仲間たちに与え続けた優しさと希望への不屈の精神。「心の中の想いや記憶は奪えない。」という信念は、のちに山本さんの遺書を仲間たちが遺族に届ける手段として、まさに発揮されることになる。

L4wtpoz5x5n2zabn3kbeqqpqwi

終息の見込めない疫病と蔓延る犯罪。深刻化する貧困。重税。年々ひどくなる災害。今の日本はどんどん暗くなっていくばかりに感じられ、未来に希望が見えないと感じる理由が多いけれど、この映画を観て少し心が晴れた。どんな境遇に置かれたとしても、人は心の持ちようや信念で、こんなにも強く優しくなれるんだと知ることができたから。

仲間を励まし続けた山本さんは家族のもとへ帰ることができなくて、どんなに無念だったかと思うけど、彼の勇気や愛が没後70年もの歳月を経て映画となり、現代の私たちのもとに届いたことに感謝したい。

2023年1月 2日 (月)

コロナ闘病記

Img_5334

2023年 あけましておめでとうございます。

コロナ禍に突入してはや3年・・・。どこかでまさか自分はかからないだろうという、何の根拠もない自信があった私ですが、この年の暮れについにコロナに罹患してしまいました。世間はオミクロン株の第8波まっさかり。接触感染どころか空気感染するというこのウィルスは重症化こそ少ないものの、恐るべき感染力でいつだれがどこでかかってもおかしくない状態。

そんな中で私が発症したのは12月19日のことでした。正確にはその前日の夜から何となく喉が痛いような違和感を感じていましたが、19日の朝になってはっきりと喉の痛みと声の嗄れを感じました。発熱はありません。オミクロンは発症までが2~3日と短いらしいので、感染したのは15~17日あたりでしょうか。

いつどこで誰からなんて、もはや考えても仕方がないですがいくつか心当たりが。
①骨折と低血糖によるせん妄で母が入院し、総合病院に出入りしていた。
②職場でちらほら流行し始めていた。
③3年ぶりに大阪から姉が帰省していた。(これは後に検査した姉が陰性だったので除外)
④スーパー等の買い物(激込み)

19日の朝に声嗄れと喉の痛みが強くなり午後から倦怠感も出たので抗原検査を行いました。
Dsc_0617 
無料検査をしてくれる薬局で受け、15分後には「陽性です。県のフォローアップセンターに陽性者登録を申請してください。」と言われ、キットの陽性写真をスマホで撮影。陽性登録するときの証明になるそうです。65歳未満で基礎疾患もない私のような者は保健所に伝える必要もなくフォローアップセンターで陽性と診断されたら希望すれば支援物資の配布やパルスオキシメーターの貸し出し等をしてもらえるということで、あとは自宅で市販薬を飲んで療養よろしくね、とのこと。

保健所業務や医療の逼迫を防ぐための措置とはいえ、この扱い(市販薬で自宅療養)で症状がキツかったらかなり不安だろうなと思いましたね。幸い私は発熱もなく息も苦しくなく、軽症であることはわかっていたのでパルスオキシメーターの貸し出しも支援物資も申し込まず、電話による健康診断だけ申し込みました。同居家族は高齢の両親のみ。88歳の母は入院中で在宅していないので安心ですが、90歳の父がいます。症状は出てないけど、炊事は私がしてるので感染の恐れは大です。ただ、普段から寝起きは別棟だしトイレも別だしお風呂も私が最後に入っていました。父は翌日指定された病院で濃厚接触者のPCR検査を受け、幸いにも陰性でした。やはりトイレやお風呂が別だったことと、食事中も無口な父はほとんどしゃべらなかったので黙食ができていたせいかと思われます。

Horizon_0001_burst20221226192134502_cove

陽性と診断されてすぐにドラッグストアで市販薬を買い込み療養に入りました。陽性者は7日間の療養を経て社会復帰できますが、10日間くらいは大事をとって他者に感染させないように気をつけなければいけません。軽症ではありましたが喉の痛みと咳は「ただの風邪」レベルではなくとてもキツかったですね。

1日目・・・微熱。激しい喉の痛み。倦怠感。
2日目・・・同上。
3日目・・・平熱。さらに激しい喉の痛み。咳。嗅覚が消える。
4日目・・・平熱。焼けつくような喉の痛み。激しい咳。嗅覚戻らず。
5日目・・・平熱。喉の痛みは和らぐ。激しい咳。嗅覚少し戻る。味覚が少し変化する。
6日目・・・平熱。喉の痛み消える。痰がからむ。咳も減る。鼻血。血痰(鼻血が混じった?)
7日目・・・平熱。咳が止まる。痰が残った感じ。嗅覚戻る。味覚はまだおかしい。
8日目・・・平熱。咳無し。痰はまだ少し残る。味覚だいぶ戻る。倦怠感は少し残る。

9日目から買い出しなどの最小限の外出に出るようになりました。倦怠感と痰が残る後遺症が心配ですし、体力が落ちて半日動くと半日は寝るといった生活が今も続いています。亜鉛のサプリを買って早めに飲み始めたせいか味覚障害は完治しました。年末年始で仕事も休めたことが助かりましたが4日からはまた出勤なのでしっかり体力を戻したいです。
5533a
療養期に無理をしたり、回復に適さない食生活をしたりすると後から後遺症がガツンとくるそうなので、今も食生活には気をつかっています。免疫を上げる食材をとり、アルコールや甘いものや脂っこいものは避けています。ファンケルさんのケールのポタージュは美味しくてお勧めですよ~~~。

2022年12月16日 (金)

ある男

Main_20221216225501

劇場で鑑賞後、原作も読んだ作品。

あらすじ
弁護士の城戸章良(妻夫木聡)は、かつての依頼者である谷口里枝(安藤サクラ)から亡き夫・大祐(窪田正孝)の身元調査を依頼される。離婚歴のある彼女は子供と共に戻った故郷で大祐と出会い、彼と再婚して幸せな家庭を築いていたが、大祐が不慮の事故で急死。その法要で、疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が遺影を見て大祐ではないと告げたことで、夫が全くの別人であることが判明したのだった。章良は大祐と称していた男の素性を追う中、他人として生きた男への複雑な思いを募らせていく。(シネマトゥディより)

興味深いストーリー設定と一流俳優陣の見事な演技で、ぐいぐい惹きこまれた作品だった。イケメンだけでなくカメレオン俳優でもある妻夫木聡の繊細な演技はもとより、今作で唸らされたのは窪田正孝の名演。過酷な運命に押しつぶされながら懸命に行き場を探してあえぐ大祐をこれ以上ないくらい見事に演じ切っていたと思う。

これは過去をリセットし、まったく別の人間と人生を取り換えた男たちの物語。戸籍だけでなく過去の人生まで誰かと交換したいと思わせるほどの何かが、それぞれの人生に存在した人々。・・・・そんな人、そんなにいるんだ。というのがまず初めの正直な感想だった。それだけでなく、戸籍のロンダリングを世話するブローカーまで存在するとは。

20221025_064712_p_o_90973970

自分の人生に100%満足している人間なんて、そりゃいないだろうけれど、戸籍を交換したいという思いを持つ人間はみなそれぞれ不幸な過去を持っているわけで、不幸なもの同士で交換しても結局後でいろいろ不具合が出てくるのでは・・・と思うのだ。それでもとにかく自分のアイデンティティを捨てて別人になれさえすれば・・・と願うほどの事情があるのだろう。

家族に絶望して失踪した老舗旅館の次男坊と、在日韓国人であることにずっと人知れぬ苦痛を抱えてきた弁護士。そして凶悪殺人犯で死刑囚の父親とそっくりの容姿を持つ息子。この三名を比較すれば、一番最後の大祐の苦しみに比べれば前の二人の「別人になりたい」という動機は弱すぎるような気もする。

戸籍を取り換えてまで自分の本来のアイデンティティから逃げたい事情って、犯罪者の家族を持ち世間から差別される人とか、宮部みゆきの「火車」のように借金から逃げたい人くらいなのかな、とこれまでは思っていた。だけど、先日観たTV番組で、「人間関係を完全にリセットしたいと思った人や実際にリセットした人」が現在では増える傾向があることを知り、驚いた。そういう願望を持つ人が増えたのも事実かもしれないが、昔に比べてリセットしやすい社会になっているのかもしれないとも思った。そんな風に、いろいろなことを考えさせられる作品だった。

2022年11月16日 (水)

紅葉2022

Img_0438-2
今年は大窪寺の紅葉を観に行きました。車で1時間ほどのところで四国八十八箇所の最後の札所です。コロナ対策も少し緩和された11月初め。大勢の参拝客やカメラ女子でにぎわっていました。
Img_0832
Img_0452
Img_0442

Img_0446
Img_0439 
やはりミラーレス単焦点のレンズだと奥行や表現力が違いますね。

«念願のミラーレス一眼買いました!

フォト

BBM関連写真集

  • 自分の中の感情に・・・
    ブロークバックマウンテンの名シーンの数々です。
無料ブログはココログ