2024年2月28日 (水)

コヴェナント約束の救出

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ジェイク・ギレンホール目当てに鑑賞。結果、ものすごくよかった!彼はどの作品でもうまくこなすが、最近の作品ではこれが最高傑作かもしれない。兵士の役は、彼のはまり役のひとつだけど、本当にリアルで緊迫感に溢れた骨太の演技だった。

あらすじ
2018年、アフガニスタン。タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍曹長ジョン・キンリーは、優秀なアフガン人通訳アーメッドを雇う。キンリーの部隊はタリバンの爆発物製造工場を突き止めるが、大量の兵を送り込まれキンリーとアーメッド以外は全滅してしまう。キンリーも瀕死の重傷を負ったもののアーメッドに救出され、アメリカで待つ家族のもとへ無事帰還を果たす。しかし自分を助けたためにアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、彼を救うため再びアフガニスタンへ向かう。映画.comより引用)

アフガニスタン問題を取り扱った社会派の一面もしっかり見せつつ、純粋に戦闘ものとして、緊迫感や臨場感の溢れるアクションを堪能できる作品でもある。実際、私が鑑賞した劇場内は年配の男性客が多かった。しかし戦闘を楽しめるだけではなく、深く感動できるヒューマンドラマでもあるのが、今作のすごいところだと思う。

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アフガンの通訳アーメッド役の俳優さんはちょっとショーン・コネリータイプのおっさん(失礼!)なのだが、この人がめちゃくちゃいい!寡黙でタフで、強くて内に秘めたる奥深さがたまらなくカッコいい。上官であるがそれまで一面識もなく、何の義理もないアメリカ人のキンリ―を、険しい山道を手押し車に載せて命がけで運んでいくシーンは何度も胸が熱くなる。どうしてそこまで・・・と思うわけだが、実は彼の心情は彼自身のセリフで語られることはない。アーメッドもタリバンを憎んでいること、何度かキンリ―がアーメッドを信頼してその忠告などを聞き入れてくれた上官であったこと、そしてキンリ―の青い瞳がタリバンに殺された息子の目に似ていたこと・・・などが実は理由のひとつになったのかもしれないと思った。

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さて、邦題に「約束の救出」とあるが、これはちょっと違うんじゃなかろうか?と思う。なぜなら、キンリ―とアーメッドの間では実際では何の約束も交わされていなかったからだ。何週間もの逃避旅を経てようやくキンリ―が米国基地に保護されたときは彼は意識もなかったまま搬送されたので、アーメッドに礼すら言う間もなく、「この恩は忘れない」という意思を伝えることもできなかったと思うから。

従って、キンリ―がアーメッドを救出に向かったのは、約束したからではなく恩義(報いるべき義理)を感じたためだった。事実、劇中でも何度かキンリ―が「恩義」というセリフを口にし、「このままでは夜も寝られない」ほど苦しんでアーメッドのために奔走し、ついには妻に背中を押される形で命を懸けた救出劇を決意している。恩義を返すという考えが、なんとなく日本的で武士道っぽく、キンリ―とアーメッドの関係にしっくりくるようで、個人的にそこもとても惹かれるツボだった。

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アフガニスタンでのアーメッドとの再会シーン。現地人に変装したキンリ―がようやく見つけたアーメッドにさりげなさを装って近づき、話しかける。名も呼ばず、名乗りもされないのにアーメッドはキンリ―だと気づき、彼が何のために帰ってきたか悟りながらも、第一声は「…その服似合うな。」いや、もうたまらんシーンでした。周囲の目や耳をはばかる必要があったとはいえ、どちらもポーカーファイスすぎて。そしてもうここで以心伝心、阿吽の呼吸というか、語り合わなくても十分に深い絆の自覚が両者に存在していたんだと感じた。

二人の心の交流や、命を懸けて恩義を返そうとする漢の生きざまが非常に感動的であるが、次から次に無限に湧いてくるタリバン兵との銃撃戦やカーチェイス、あわやここまで、と思った絶妙な瞬間に現れる米国戦闘機の助けなど、手に汗握る観どころも満載だ。

2024年2月 2日 (金)

春を待つ

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暖冬ですが、まだ寒の戻りはあるかもしれませんね。秋に植えたヴィオラたちもどんどん大きくなってきました。梅の満開はまだですが、庭にメジロたちが来る日も間近と思われます。

年明けからいろいろありました。ひとりの親族が、70代前半で心不全で突然逝きました。そしてもうひとり、私のひとつ年上の仲良しの従兄弟の膵臓がん末期が判明し、余命ニカ月を宣告されました。このふたつを知ったのはどちらも先週のこと。相次ぐ哀しい知らせに、さすがに食欲が失せました。

能登の地震もそうだけど、今日の平安な日が明日も問題なく続くとは限らない。大切な人に伝えそびれた言葉は、もしかしたらもう永遠に伝える機会が奪われるかもしれない。そんな心構えでいなくてはいけないのかなと思いました。

明日、従兄弟に会いに行ってきます。飛行機の距離ですけど。まだ顔を合わせることができるうちに。


2024年1月 3日 (水)

あけましておめでとうございます

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2024年は、能登の震災と航空機の衝突事故が立て続けに起こる、何とも痛ましい幕開けとなりました。被害にあわれた皆様には心からお見舞い申し上げます。寒さと不安のなか、避難生活を送られている皆様に、どうぞ必要な支援や慰めが届けられますように。

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今年は2年ぶりにおせちを手づくりしました。一人暮らしとなったので作ったおせちのほとんどは知人や親せきに差し上げましたが、作る過程そのものを楽しみました。かまぼこ以外はみんな手づくりです。

本年もよろしくお願いいたします。

2023年12月15日 (金)

正欲

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最初から最後まで、正座してずっと目を凝らして鑑賞しているような、そんな気持ちにさせられた作品だ。もちろん映画館だから実際に正座していたわけではないが。

多様性を受け入れ、みんな違ってみんないい、という考えが浸透している現在でも、こんなに生きづらい指向を持った人たちがいるんだと初めて知った。何に対して性的に興奮するかは実はみんな違っていて、相手が異性であっても、惹かれるタイプや場面や身体箇所などは千差万別だ。しかし犯罪にさえ走らなければ、異性を愛することは排斥も差別もされない、当たり前のこととして受け入れられている。いや、相手が同性であってもこれは当てはまると思う。

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しかし、相手が人間でない、という指向は考えたこともなかったし、実際に想像も出来ない。犯罪に走るわけでもなく、誰に迷惑をかけるわけでもないのに、その指向を公言できずに隠し通して生きる登場人物たちの苦しみと諦め。それは、言っても理解してもらえない、という絶望感から来るものなのだろう。声高に叫んで理解や市民権を得るにはあまりにも異様で、受け入れがたいという反応が返ってくるだろうから。実際、稲垣吾郎が演じた検事の反応も、「あり得ない」だった。自分も明らかに彼の側だったと感じつつも、磯村勇斗や新垣結衣の、「やはり理解してもらえない」という、何ともいえない暗い表情には胸が締め付けられた。

忘れられない印象的なセリフはいくつもあった。
「この星に留学しているような感覚」「いなくならないで。」「社会のバグ」「この世界で生きていくために手を組みませんか。」「誰に説明したってわかってもらえない者同士、どうにか繋がり合って生きているんです。」「いなくならないからって伝えてください。」
・・・・彼らの孤独や絶望や憧憬が切ないほど伝わってくる。

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俳優さんたちの表情の演技が特に素晴らしく、ラストシーンでの稲垣吾郎の、瞳の動きだけで内心の動揺や敗北感を見事に表現した演技には感嘆した。

磯村勇斗は社会問題を描いた作品に多く出演しているが、作品によってガラリと雰囲気を変えることのできる名優だと改めて感じた。かっちりとした装いで刑事や公務員を演じるのもハマるし、「昨日何食べた?」の小悪魔的で破天荒キャラのジルベールも可愛い。「月」でみせた心が壊れかけた殺人犯の役は、彼にしかできなかっただろう。彼の出演する作品はハズレがないので必ず観ることにしている。

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