クローズZERO
累計発行部数が3200万部を超える、高橋ヒロシ作の大人気コミック「クローズ」の実写映画化らしいけど、私は原作にはあまり関心はなく,「とてもいい!」という世間の評判を聞いてDVDで鑑賞。ひとことで言えば,最悪の不良学生が集まる鈴蘭男子高校の覇権争いのお話。監督は『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』の鬼才・三池崇史。かっこいい若手俳優が多数出演しているのだが、私は小栗旬くんしかなじみがない。山田孝之くんなんか,初めて見た。
あらすじ: 偏差値最低、品性最悪の不良学生が集まる鈴蘭高校では、多数の派閥が覇権をめぐって勢力争いを繰り広げていた。現在の最大勢力は、3年の芹沢多摩雄(山田孝之)率いる“芹沢軍団”だった。そこへ、鈴蘭制覇を本気で狙う滝谷源治(小栗旬)が転入、鈴蘭OBで早秋一家矢崎組のチンピラ片桐(やべきょうすけ)と友人になり、勢力を拡大する。(シネマトゥデイ)
わたしは暴力ものは平気だけど,もちろん大好き,というわけでもなく,全編ほぼ喧嘩映画,というのは,冒頭から違和感を覚えなくもなかったが・・・(食べ慣れない料理を食べてる感じだ)
しかし,すぐに,この世界にはまりこんで観てしまった。それは,この監督さんの描く,とてつもなくカッコよく美しく完成されている,映像というか画と,やはり主人公の源治をはじめとする不良たちの魅力に惹きつけられたのかもしれない。
ストーリーは,あってないようなもの。
「鈴蘭のテッペン(頂)を取る!」という覇権争い,もうそれのみ。
対戦するのは 源治軍団VS芹沢軍団。
合間に,「おちこぼれのチンピラ片桐と源治の友情」や,「黒木メイサ扮するルカと源治との間の恋心」や,「源治と芹沢の共通の友人,時生の手術」などのストーリーも絡んでくるけど,片桐との友情はともかく,他の二つのエピソードは,別になくても全く支障はない。(この物語には,むしろ女は必要ないとさえ思う。センチメンタルな恋愛なぞ,場違いで邪魔に感じる。)
また,名前と顔とが結びつかない不良キャラもごちゃごちゃ出てきて,(みんな顔似てるし~),原作を知らない身としては,誰が誰やら,その相関関係も把握できないのだが,それでも最小限,源治と芹沢とそれぞれの主要メンバーの顔だけ見分けがつけば,ストーリーには何とかついていけた。
それにしても,こんな男子校に「鈴蘭」という可憐な名前がついていることに,まず笑えたんだけど。
学園内の,どの場面でも,不良学生たちは,喧嘩をしているか,睨みあっているかで,授業風景なぞ皆無だ。(教師もほとんど登場せんし・・・)いや,実際は授業もしてるんだろうけど,あの高校の教師にだけはなりたくないなぁ・・・。怖すぎ。
そして最近の不良ルックって,学ランをあんなふうに着こなすんだなぁ。ズボンは落としかけに穿いて(腰パン?)上着も短め?その下に何を着るかもセンスが問われるところか。しかし,小栗くんの不良学ランスタイルの決まっていたこと!
何着ても似合うんだな~![]()
小栗旬も山田孝之も,どちらかというと,童顔なのではないだろうか。それなのに,この映画の中で,目を怒らせ,肩をゆすって闊歩する彼らの,ぞくぞくするほどの,ガラの悪さときたらどうだ。特に山田孝之は,いざ戦いが始まると,ほとんど目がイッちゃってる感じだ。・・・・やばい。
この世界観は,現実に自分が住んでる世界とは,あまりにもかけ離れすぎていて,もちろん共感できはしないのだけど,勢力争いを繰り広げる彼らが,体を張って渡り合い,とことんやりあったあとは,負けた方は潔く勝者に従う,という生き方には爽快感を感じる。
豪雨の中の乱闘シーン。水しぶきで煙る校庭での,あの壮絶な泥まみれ,血まみれの闘いは,何度でも見たくなる。
ひとことで言えば,熱い映画。理屈抜きに,体も心も熱くなる映画だった。
たまには,こんな作品を鑑賞するのもいいと思った。(気分が若返る。)
それにしても,このあいだ観たキサラギを思い出すと,小栗くんは,ルックスがいいだけでなく,つくづく器用な役者さんだと感心した。
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